
図3.3.2.3−5 東京でのGPS/GLONASS測位例

注)
1. 真位置とは予めGPS測量された位置(WGS−84)N35°41.2900' E139°42,8387'
2. 受信機はAshtech社製GG24
3. 日時:1996年10月3日13:00〜19:00
図3.3.2.3-5. GLONASSとGPS測地系
GPSの採用している測地系はWGS−84であり、GLONASSのそれは従来はSGS−85であったが、現在はPZ−90(PE−90)とされる。SGS−85とPZ−90との相違はわずかで問題にならないとされているが、WGS−84とPZ−90との相違は無視できない。GPSとGLONASSを共用する場合、これらの測地系の相違が測位誤差につながるため、かねてより問題とされており、両者の測位位置の比較観測(1)(2)や、測地系変換式の提案(3)(4)(5)(6)等がなされてきた。過去に提案された変換式はいずれもわずかに相違しており、式を導く元となったデータを収集した場所の違いを反映していると推定される。
日本における測地系による誤差を検証するため、東京・三鷹において日本無線にて開発中の受信機によりGLONASSの測位を行った。結果を図3.3.2.3−6に示す。GPSにより測量された位置(WGS−84)に比較しGLONASSのPZ−90による平均位値は約20m西方向にずれている(図a)。PZ−90からWGS−84への測地系変換を参考文献(5)に従い、Z軸0.4”回転、Y軸方向2.5m移動を行った結果、平均位置は、WGS−84系測量位置に近付いている(図b)が、まだ充分とは言えない。日本ではこの変換誤差が大きいためであるとも推定される。今後、全世界的な観測綱の整備と検証作業が必要であると思われる。
前ページ 目次へ 次ページ
|

|